日本に当てはめれば、たとえば、倉敷市が三ツ星、景観地区と大原美術館も三ツ星、鷲羽山、チボリ公園がニツ星、水島のコンビナートと下津港が一ツ星、大原美術館にあるエルーグレコの「受胎告知」も三ツ星といった具合になるかもしれない。日本でも昔は安芸の宮島、天橋立、松島が「日本三景」、瀬田の唐橋、宇治橋、岩国の錦帯橋が「三名橋」、金沢兼六園、岡山後楽園、水戸偕楽園が「三名園」、青森のヒバ、秋田の杉、木曽のヒノキが回二美林」などといったことをよくいった。ところが、最近では役所であろうがマスコミであろうが、「日本の百名山」を選んだ深田久弼さんのような個人ですら、地域バランスを考えてしまうので迫力がない。環境庁選定の百名水や建設省の日本の道百選などといっても各都道府県からだいたいふたつずつ選ぶというのなら、各都道府県庁から推薦させてまとめて発表すればよいので独自の見解で選ぶのはおせっかいなことだ。
実はかつて、山陽本線の夜行快速列車運行は、「青春18きっぷ」ユーザーの悲願だった。昼の移動では、約1時間ごとの乗り継ぎ。その祁度、展問される席取りバドル。九州にたどり着くまでに、ヘロヘロになる。そんなわけで、行き交う東海道・山陽ブルートレインを見るたびに、夜行快速があったらという切ない思いが募った。何と悲願ばかり抱いた悲しい宿命を、「青春18きっぷ」ユーザーは背負っていたことか…と、その悲願が「ムーンライト九州」として現実になったのだから、こんなありがたいことはなかった。現在、主に使用されている特別け様車は、本来スキー列車「シュプール号」用に改造された車両。当初は「シュプール号」のほかに、各リゾート列車などでも使われていた。座席は、ゆったり目のリクライニングシート。大型荷物置き場や自動販売機、更衣室も設置され、JR西日本自慢の関空特急「はるか」にも匹敵する豪華設備だ。そればかりか「はるか」にさえない車両、何と展望車(フリー・スペース)が「ムーンライト九州」には連結されている。
マレーシアを1ヵ月かけて旅行中、ペナン島でリゾート気分を満喫して旅の最後の思い出を締めくくろうと企み、ケチケチ貧乏旅行で都市部を回り、お金を切り詰めていた。そして、旅慣れてきた3週間目、ランカウイ島でオートバイ(いわゆる「カブ」)で転倒。「イタイッー」と思った瞬間、顔が3倍に膨れ上がっていた。その日は運悪く日曜日の夜7時過ぎ。連れていかれた公立病院は、平屋で田舎町の診療所もしくは、小学校のよう。休日の時間外だから当然だが、待合室は静まり返り、すぐさま名前を呼ばれた。診察室に入ると、白衣を着た男性が3人待ち構えていた。50代くらいの眼鏡をかけた太った医師と、やはり大柄の若い医師(白衣を着ていたから多分医者だと思う)がふたり。左目がほとんど開かず、膨れ上がった顔を見て何か起こったかすぐにわかったようで、眼鏡の医師がすぐさま注射針を取り出した。このとき私は頭がクラクラしているにもかかわらず、「アジア=不衛生=注射針は危険」という発想が浮かび、治療法を聞かなければ、いや、それより、なんとしてもこの注射針を阻止しなければ……とジタバタと暴れだした。「やめてくれ〜、注射は勘弁してくれ。生理が、妊娠してるかもしれないから注射はダメ」ブス(注射をされた音)英語でのやりとりの上、頭が痛くて支離滅裂。医師たちは、私がそうとうひどく頭を打ったと思ったことだろう。結局、大男ふたりに羽交い締めにされ、麻酔注射を打たれ、叫ぶ私を無視し、わずか3分足らずで縫合完了。痛み止めの薬までくれたのに、なんと治療費は「2リンギット(約80円)」。翌日、経過を見せにいくが、やっぱり「2リンギット(約80円)」。地元の人と同じように、受付け時にチケットのようなものを買わされた。その3日後、リゾート気分どころじゃなくなったけどペナン島へ移動し、知人と合流した。抜糸をしなければならないというと、現地駐在員御用達の私立病院を紹介してくれた。ここは施設も待ち時間も日本の大学病院なみ。カナヅチのようなもので手足をたたかれたかっけ検査のようなもので「50リンギット(約2000円)」、抜糸と視力検査もほぽ同額。帰国後、日本の病院で精密検査を受けた。CTスキャンその他で2万円近くかかった。あっ、それから事故ったバイクの修理代は50リンギット(約2000円)。こ〜れが、納得いかん!結局、リゾート気分満喫のために残しておいたはずのお金は、日馬医療費比較研究代となる。ちなみに、日本の病院で医師に顔の傷跡を見せたら、「どこを縫ったかわからないほど、かなり精密に縫ってある」とお墨付き。担当医師に恵まれたこともあるが。さあ、公立、私立、どっちに行く?
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