結婚式は相変わらずの神前式が優勢だったが、披露宴は演出を取り入れ、ひたすら派手婚への道をひた走る。お色直しを三回も四回もやったり、会場でスモークを焚いたり、新郎新婦がゴンドラで降りてきたり、二人の結婚までの過程を構成した「愛の軌跡」みたいなスライドショーが流行ったり。一時の流行で終わったのもあるが、「キャンドルサービス」や「花束贈呈」のように、その後残ったイベントもある。新郎新婦が各テーブルを回ってキャンドルに灯をともすキャンドルサービスが話題になるのは一九七四年。ろうそくメーカーのアイデアというが、ステージと観客席とに分かれた披露宴で、新郎新婦と客が至近距離でふれあえる機会として人気を博したのであろう。花束贈呈は新郎新婦が互いの(または自分の)母に花束をわたす行事だが、その前に新婦が自分で書いた手紙を読む。「お母さん、あなたは私が辛かったとき、いつも励ましてくれました」とかなんとか読んでいるうちに、花嫁は必ず泣き、客席ももらい泣きする。
ビジネスで婚礼に参加することはめったにないが、弔事に接することは多い。取引先の方が亡くなった場合は、会社の代表が告別式かお通夜のどちらかに参列する。できれば告別式に行くほうがよく、無理であればお通夜でもよい。「取りも直さずかけつける」という意味合いが強いお通夜は、きちんとした喪服を着ていかなくても、ふだんのスーツでいい。受付では、「ご愁傷さまでございます」など型どおりのあいさつを。とくにはきはきする必要はなく、終始静かな調子を心がける。取り込んでいる中なので、最低限「どこの誰が来たか」があとで相手にわかればいい。香典を包んでいく場合は、会社や部署、代表者の名前を薄墨で書き、きちんと記帳をすること。相手は取り込んでいるのだから、あえて何かがなければ、じゃまにならないように早々においとまする。
めったにないことだけに、お座敷で接待ということがあると緊張するのは当然のこと。誰でも初めてのことはあるが、場に慣れると緊張しなくてすむ。とくに自分が接待する側なら、いちばんいいのは下見をしておくことだ。扉を開けて入るところから、初めてと2度めではまったく違う。夜は無理でも昼食なら手が届く。絶対に失敗したくないなら、場所にも行為にも慣れておくのが最良の手。和の空間では男性上位ということも覚えておきたい。レディファースト派は混乱してしまいそうだが、旅館や料亭などでは、のれんをかき分けて先に中へ入るのも、前を歩くのも男性で、上座も男性が座る。女性も一歩ひいたふるまいを心がけたほうが美しく見える。洋の場面で女性がアルコールをお酌するのは好ましくないが、日本料理店など和の空間ではOK。
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