配当要求とは、すでに申立債権者によって競売の申立てがなされているときに、その競売手続に参加して、執行裁判所に対し、売却代金から債権の弁済を求める申立てである(民事執行法1条。旧法では、執行力ある債務名義の正本をもたない債権者(無名義債権者)の配当要求も認めていたが、虚偽債権、通謀債権等により配当要求がなされるなどの弊害があった。そこで、民事執行法は、配当要求ができる者を次に述べる者に限定した。(a配配当要求ができる者は次のとおりである(民事執行法21条1項)。
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(1)執行力のある債務名義の正本を有する債権者…債務名義とは、強制執行によって実現される請求権の存在範囲を証明する公の文書であり、その種類については、民事執行法22条に規定されている。同法25条は、強制執行は、執行文の付された債務名義の正本に基づいて実施するとあるから、債務名義を有する債権者は、配当要求をする場合であっても、執行文の付与を受けておかなければならない。(2)差押登記後に登記された仮差押債権者…執行力のある債務名義の正本を取得するのには時間がかかることから、仮差押えにより一応権利の保全をした者にも配当要求の資格が与えられる。差押えの登記前に登記された仮差押債権者は、執行裁判所に判明しているので、配当要求をすることなく配当にあずかれることとしたが(民事執行法87条1項3号)、差押えの登記後に登記した仮差押債権者については、執行裁判所はこれを知りえないことから、配当要求をしなければ配当にあずかれないこととした。(3)一般先取特権を有する債権者…社会政策的な配慮から、民法306条等の一般先取特権により優先権を有する債権名は、配当要求することができるとした。以下のとおり、配当要求ができる者は制限されたので、債務名義のない債権については、配当要求の終期までに目的不動産に仮差押えをし、その登記を得ておかないと、配当にあずかれないことになる。
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